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サーフィン中によくおこる怪我とその応急処置法

サーフィン中によくおこる怪我とその応急処置法

サーフィンは見た目以上に激しいスポーツ

サーフィン中によくおこる怪我とその応急処置法。

サーフィンは見ているだけだと、優雅に波に乗って穏やかなスポーツに見えます。しかし、実はいろいろな技を繰り出す、とてもアクティブなスポーツなのです。
こうした技を決めるためには、色々な筋肉を使うので、十分な対策をしていてもどうしても怪我は起こってしまいます。
そこでサーフィン中に起こりやすい怪我とその対処法をしっかりと知っておき、いざという時にあわてないようにしましょう。
 

脳震盪

ビッグウェーブに挑戦している時や天候が荒れている時のサーフィンで起こりやすいのが脳震盪です。
ビッグウェーブや悪天候下でのサーフィンではどうしてもワイプアウトしてしまう確率が高まります。
ワイプアウトする際に、海中への落方が悪いと波に巻かれてしまったり、水面に体を激しく叩きつけてしまいます。この時、頭部を強く打ち付けたり、首や頭に大きな衝撃が加わると意識や記憶を失ったり、頭痛やめまい、ふらつきなどの症状がおこります。こうした症状を脳震盪と呼びます。スポーツでは脳震盪を起こすことも少なくありませんが、その中でもサーフィン中に起こる脳震盪は注意が必要です。サーフィン中に脳震盪が起こり、意識を失うと溺れて死に至る可能性すらあります。
 

◆応急処置

脳震盪が起こってしまったら、すぐ意識を取り戻した場合でも、すぐに回りの人に声をかけましょう。
頭部に衝撃を受けている場合、一時的に意識が回復しても再び意識を失う危険性もあるので、身近にいる人に声をかけ、すぐに海からあがりましょう。そして、海から上がったら頭痛やふらつきなどの症状がなくても頭を強く打って内出血している可能性もあるので、すぐに病院へ行き診察してもらいましょう。
病院へ移動する際は、頸椎の捻挫やむち打ちなどの可能性もあるので出来るだけ頭部を動かさないようにしましょう。
 

切り傷

サーフィン中に最も多い怪我の1つとして切り傷があるかもしれません。サーフボードにはフィンがついているので、ワイプアウトなどの際に、フィンが手足や顔などに当たって切れてしまうことがあります。
サーフボードは固さもあるため、当たり方によっては深い傷となることがあります。また、リーフ(岩場)やテトラで足を切ってしまうケースも少なくありません。

◆応急処置
こうした、切り傷による出血がある場合は、まず海から上がり止血をすることが重要です。ティッシュや清潔なタオルなどで傷口を押さえて圧迫しましょう。傷が深くて、なかなか血が止まらない場合、患部を心臓より高い位置に上げると止まりやすくなります。手や腕から出血している場合は、患部を押さえながら腕を上げましょう。反対に、足の場合は横になって足を上げましょう。
そして、血が止まれば患部を水で洗うか、消毒液で消毒して清潔な状態にしましょう。傷口が深い場合は、応急処置を済ませたら早めに病院へ行き医師の処置を受けましょう。
 

肉離れ

ほかのスポーツ同様、サーフィンでも肉離れが起こることがあります。
肉離れは筋肉が裂けたり、切れることで内出血や炎症が起こり、強い痛みを伴う症状です。肉離れぐらいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、適切に処置しないと身体が歪んだり、剥離骨折などを引き起こすこともあります。
原因として急な動きによって、瞬間的に筋肉へ大きな負荷がかかることがあげられます。また、大きな負荷がかからなくても、筋肉が固くなっていたり、疲れが溜まっていたり、加齢によっても起こることがあります。
特に、サーフィン中は急な動きが多いうえに、海に入り体が冷えているので筋肉が固まりやすく、肉離れへの注意が必要です。
また、楽しいからと夢中になってサーフィンを続けていると、知らない間に疲労物質が溜まって、肉離れを起こしやすい状態を作り出してしまうので、時間を決めて休憩をとるようにしましょう。

◆応急処置
肉離れを起こした時の対処法はRICEです。RICEはRest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字をとった、怪我をした際の基本の応急処置です。
サーフィン中に肉離れが起こってしまったら、まずは安全を確保してください。肉離れが起こったら自由に動けなくなる可能性もありますので、一緒にサーフィンをしている仲間や周囲にいる方に声をかけて助けてもらうようにしましょう。もし、周囲に人がおらず、助けを受けられない場合はパドリングで岸まで戻りましょう。そして、安全が確保できたら応急処置をするのですが一番最初にするのが冷やすことです。肉離れは筋肉が炎症を起こしている可能性が高いので、冷やして炎症を押さえます。

アイシングスプレーや氷などで冷やすのがおすすめですが、こうしたものがなあ場合は足だけ水や海につけて冷やしましょう。ただし、冷やしすぎると血行が悪くなって筋肉が固くなり、却って良くないので冷やす時間は30分以内にしましょう。十分に冷やしたら、膝を軽く曲げます。そして、折り畳んだタオルやクッションなどを使って、足を高く持ち上げた状態にします。この時に、肉離れを起こした患部を心臓より高く上げておくと、腫れ上がるのを防ぐことができます。こうして、応急措置ができたら、すぐ病院へ行きましょう。移動する際は、可能であれば人におんぶしてもらったり、肩を貸してもらうようにしましょう。
もし、それができない場合は、ケンケンで肉離れを起こしたほうの足を使わないようにして移動しましょう。
サーフィン中によくおこる怪我とその応急処置法